昨日東証マザーズ指数が再び年初来安値を更新しました。日経平均も相変わらず弱々しい展開が続いており、それでも先物には値頃からの買いも入り抵抗する場面も見られますが、小型株に至っては整理の極みかとも思われます。
メガSQも通過し、今週は個人投資家の税金対策の売りがピークに達するとの見通しであり、これも日本人の気質か切りの良い年末に整理するものはして、新しい気持ちで既に来年を見据えて再始動したいとの思惑があるようです。
年内は来週、再来週もありますが、今年は外資系に限らず日経の証券会社、運用会社も働き方改革の一貫で、来週ぐらいから休みを取る担当者も多いようです。筆者の先輩の某大手証券の執行役員は「日本株はあまり商売にならないし、消化しなきゃならない休暇も溜まっているから来週から休んじゃうよ」と申しておりました。いやー、忙しくて休めないよ、の言葉が欲しかったのですが…。
さて、今週は米国、欧州、日本とも中央銀行の政策が焦点となる週であり、SQで一段落した外人投資家も手が出ておりません。そこに個人の年内税金対策売りが嵩むので、個人の持っていそうな小型株ほど厳しいのですが、全体では先日お話し申し上げました通り、中長期の逆張り資金も出ております。
そのことが先日日経新聞でも取り上げられておりましたが、コロナ禍以降増えた個人投資家の売買動向が変わりつつあります。ゲーム感覚で今日、明日の株価の値動きだけで判断し売買するのではなく、しっかり分析し有望銘柄を買い始めている個人投資家層が出てきております。
当欄でも常々申し上げていることで、賢い個人投資家が着実に現物で拾い始めているということではないでしょうか。バタバタ動くデイトレーダーだけが個人投資家ではありません。このような投資家が今年現物市場で9000億円買い越しております。
ゴールドマンサックス証券の日本株ストラテジスト建部和礼氏は長期目線で買う個人投資家が増えることで「上昇時にも押し上げ役となり海外投資家を引き寄せるきっかけになる」とし、東京市場の景色が変わる「貯蓄から投資」の芽がここに見え始めていると指摘しております。
何だかんだ言いながら、徐々に変化するものかと存じます。
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