昨日の東京市場は朝方から売り物に押され再び300円を超える下落から始まり、未だ需給の悪さを露呈しておりますが、直近の証券会社への取材からも分かりますが、担保に絡む売りも一巡してきております。しかし、東証マザーズに至っては、12月のIPOラッシュのせいもあり相変わらず換金売りが響いているようです。
未だ特殊要因はありますが、新安値銘柄の数も昨年3月以来の542銘柄から88銘柄へと激減してきております。ただ、今週はメガSQですから暗躍するヘッジファンドの様子からSQ週のアノマリーで明日、明後日に向けての波乱には注意は怠れません。
昨日も申し上げましたが、その傍ら昨年3月の暴落シーンを回顧し2、3か月後を見据えた個人投資家の逆張りの実需買いは確実に見られます。勿論、何時の下げ相場も下げ止まらないことは皆無ですが、その日をピンポイントで予測することは困難ゆえ種蒔きに出ている感触です。
頼みの米国市場も、先週末の雇用統計が前月の54万人増から予想値を大きく下回り21万人増、更に懸念された賃金上昇率も加速しませんでしたが、失業率は前月4.6%から4.2%へと改善し全体的には少々まだら模様で、来週に重要なFOMCを控えていることからも消化不良な状態であります。
筆者の優秀なファンドマネージャーも今年の相場は本当に難しく、運用成績でも苦戦を強いられておるのが実情であり、更に私の尊敬するエコノミストA氏、それは理路整然と説得力のある分析を武器とし、国際情勢にも精通しておられ、長きに渡り講演会にもよく足を運びました。残念ながらその御方の分析をもってしてもこの相場の行方は思惑通りには運ばず、名前は出しませんが昨年の暮れから世界の株価、特に米国株に弱気の見通しを通しておりました。
相場見通し一つとってみても、公演等で喋ることを生業としているエコノミストは、筆者も羨ましいほどの饒舌さで相場を語りますが、どんな相場巧者も時には当たり、時には曲がるのがこの世界であることを改めて痛感いたします。
ただ、現状は「陰極まれば陽に転ず」の時期近しと感じております。
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