株式市場は需給に勝る材料はなしと申しますが、現在の東京市場の需給の悪さは如何ともしがたい状況であります。先週末も本日も、外人投資家はクリスマス休暇でありますが、1兆6000億円台の売買代金では峠を越したと言われる税金対策売りも、若干の残存玉でも響くようです。
明らかに先週辺りからすると売り玉は大分減って来てはおりますが、IPO手当の売りも概ね終了しておりますが、買いの資金が厳しい状況では、年内渡しの本日までは最終処理に悩まされそうであります。
外部環境では懸念のオミクロン株についても、ここのところ重症化しないという見解が大方を占める一方で、バイデン大統領の首席医療顧問で米国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長は、警戒を緩めるべきではなく、感染件数が多いことから患者が大量に医療機関に押し寄せ、医療システムを圧迫する恐れがあると警告しております。
更に、ウィルスは気道から心臓、脳などほぼ全身の器官に広がり、数か月にわたり体内に残る可能性があると、米国立衛生研究所の調査が明らかにしており、研究者は軽度もしくは無症状だった人でも後遺症を抱える理由を説明する一助になるとの見解を述べております。
見方が分かれる変異ウィルスではありますが、米国ではファイザーやメルクの経口治療薬が相次いで認可され、日本でもメルクの「モヌルピラビル」が承認されました。
学者の先生方はとかく慎重に見がちですが、やはり経済再開拡大方向に動き出し、更にその方向へ進むものと考えます。クリスマス休暇中に発表になったミシガン大消費者信頼感指数も予想以上の伸び、日本でも11月の鉱工業生産4.8%の伸びと前月の3倍ぐらいの伸びでサプライチェーンの改善が寄与し、更に小売販売額も1.9%増と前月の倍ぐらいの伸びを示しております。
どうしても出て来る材料に未知のものも、未経験のものが多く含まれますので、消化にはそれなりに時間も必要かと思われますが、本日の需給悪を通過するとあく抜け感も出て来るものと思われます。もう少しの辛抱です。
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