相変わらず低成長が続く日本ですが、OECD(経済協力開発機構)が2022年の日本の成長率をもともと2.0%ぐらいと弾いておりましたが、実に3.4%へと上方修正いたしました。中国が5.1%、ユーロ圏が4.3%、米国が3.7%と各地域すべて下方修正している中でのこの上方修正はちょっとしたサプライズであります。
バブル崩壊以降30年間の日本の平均成長率は0.2%で全く成長しておりませんで、その間マイナス成長が9回もありました。以前、筆者が43年前に証券界に入った時の初任給は20万円以上いただき、今とさほど変わりないことはお話させていただきましたが、諸外国と比較すると悲しくなる数字が続いておりました。
今回のこの3.4%という数字はリーマンショック後のリバウンドを含めても、日本にとって30年間で最高の成長率となります。なんか来年に向けてワクワクしてきませんか?
OECDの注目すべき見解は、現在世界トップに躍り出たワクチン接種率であります。いち早くワクチン接種に臨んだ欧米諸国は6割から7割の接種率で停滞しており、ワクチンがないのではなく一定数ワクチン拒否の人の存在が接種率の停滞を招いております。
それとずさんな個人の感染対策も手伝って、欧米諸国では今でも連日数万人の感染者は出ております。8割を超えたワクチン接種率を、世界が驚愕するスピードで実施した日本ではマスク、手洗い、消毒の習慣も徹底され、現在の感染者は連日100人から200人前後と世界の模範国となっております。
更に3.4%成長の根拠は、岸田内閣による60兆円に及ぶ経済対策が来年早々始動して来ることであります。細かい配分先についてはこれから国会審議が始まりますが、OECDは2022年のこの予算のGDP押上げ効果を計算してのことと思われます。
そう言えば、一昨日の岸田総理の所信演説でも、野村HDとマネックスグループのCEOとの懇談が功を奏したか、成長重視に大分舵を切っていた印象でありました。昨日の大幅高はその辺りを総合的に織り込み始めたものと存じます。
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