当欄でも以前ご紹介いたしました、「女性版ウォーレン・バフェット」と称されるアーク・インベストメント・マネジメントを率いるキャシー・ウッド氏は現状のFRBの引き締め政策に以前から警笛を鳴らしておりましたが、既に現状ではインフレ退治よりもデフレに陥る危険性に懸念を持っているようです。
現状は原材料の下落に加えて海運市況もピークから既に80%程下落している環境です。既にインフレを警戒する段階ではなくデフレを心配する段階に来ており、その見極めをするべく今週末に重要指標PCEデフレーターが注目されます。
ウッド氏はこのPCEデフレーターは今年2月の5.3%をピークに現在は4.6%、今後1年間で3.4%に下落すると見ております。
そう言えば、FOMCを控えて関係者が発言を自粛するブラックアウト期間に入る直前に複数の米地区連銀総裁が利上げペース減速や利上げの終着点であるターミナルレートに関する見解が示されましたが、タカ派もハト派もモヤモヤした状態でFOMC を迎えるだろうと、ブルームバーグニュースは伝えております。
ここへ来て金融工学の専門家や運用のプロたちの警笛がFRB に届いて来たようであり、11月の利上げ幅0.75%は決まりでも12月については再考されるのではないでしょうか。
そのような展開になってくると、黒田日銀総裁の思惑通り金融緩和と為替介入という一見矛盾する操作も、時間稼ぎの域を出て為替相場の着地点も見えて来るのではないでしょうか。
昨日の東京市場は米国で半導体指数(SOX)の堅調から、引き続き半導体株が買われましたがテクニカル的戻り一巡感の出る水準です。未だ本流とはならず現状の投資スタンスでよろしいかと存じます。
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