先週の強い米雇用統計を見ても、相変わらずタカ派が目立つ連銀総裁、理事たちの発言ですが、先週もサンフランシスコ連銀、デーリー総裁が「2023年の利下げは考えていない」と発言、ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁も「利上げペースは適切、利下げなどはかなり遠い先」との発言が並びます。
傍ら、シカゴ連銀エバンス総裁は「利上げの前倒しは良い政策だが、オーバーシュートも犠牲が大きく経済への抑制的政策が実際にどの程度か不透明感が強い」とややオーバーキルを懸念する発言もあり、一昨日のブレイナードFRB副議長の公演でも同じトーンの発言が出て来ております。
さて、ハト派がめっきり減ったFRBの中でも意見が分かれる状況が近いのか、先日金融工学の世界からの警笛をご紹介しましたが、米運用会社アーク・インベストメントを率いるキャシー・ウッド氏は「FRBはデフレを引き起こすような政策ミスを犯している懸念がある」との公開書簡を送ったそうです。
同じ立場で、モルガン・チェースのジェミー・ダイモンCEOは「米景気後退が今から6〜9ヶ月の間に生じうる、ハリケーンはすぐそこにある」との警笛を鳴らし、運用界の両カリスマは、ともに金融引き締めによる景気や物価の冷却効果が、時間差で襲って来る懸念を共有しております。
弊社も全く同意見ですが、自らのミスをはっきり認めたがらないからFRBが現状のインフレに対する焦りからか、政策も拙速になっているのではないかと思うのですが…。
東京市場も下げましたが、日経平均もTOPIXも今年のボックス相場の中での動きであり一喜一憂せずに。いい材料としては、岸田総理がフィナンシャル・タイムズのインタビューで、日銀の超金融緩和政策を支持し、黒田総裁と緊密に協力することを望み、マイナス金利の解除などの圧力をかけることはないと明言しました。少しモヤモヤが晴れましたかね…。
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