戦々恐々の数日間を経過した東京市場を横目に、米国市場では景気の悪さが再認識されているようです。テック企業の人員削減に続き、金融機関の投資部門が冴えず、こちらも多くの人員削減が計画されております。
進むインフレ対策で、昨年3月から7回に渡り4.25%という大幅で急激な利上げをしている訳ですから、当然の帰結であると思います。突然のウクライナ侵攻によるコモディティ価格の上昇もインフレを加速させましたが、それ以前にFRBの判断ミスであることは当欄でも何度も指摘いたしました。
悲しいかな、自らのミスを認める前に拙速な行動に出てしまうのは人間の性でしょうか。後手、後手に回った金融政策は現状の景気悪化を招いても、未だにタカ派発言が目立ちます。
昨日もタカ派でお馴染みのセントルイス連銀のブラード総裁、クリーブランド連銀のメスター総裁は、既にピークアウトしている物価に対して一段の利上げが必要と発言しております。どれだけの失業者を出せば気が済むのやら…。
さて日銀の金融政策決定会合は一昨日変更なしとされ、各金融機関には別途支援策を設け、投機筋を牽制することも匂わせて通過しましたが、あまり触れられませんが全会一致での可決は良かったと思います。
財務省からのプレッシャーも大きいと思われる現在の日銀ですが、次の総裁人事を考えると今回の全会一致の意味は興味深いと思われます。4月の新総裁は、古くはバブル崩壊を招いた鬼平三重野元日銀総裁のような突然手の平を返すようなことはないと思われます。
株式市場も昨日申し上げました通りしばらくはレンジ相場であり、押し目買い敢行のテーマ株は既に動き始めており、今回の買いのタイミングは短かったようですがまだまだ続きそうです。森は参考程度、木を見てまいりましょう。
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