先週サプライズニュースとして、日本の関税率が当初の25%から15%で妥結したと流れ、株式市場はお祭り騒ぎの2日間で2000円高となりました。散々売られた自動車関連銘柄がストップ高を含め軒並み今まで見たことのないような急騰劇を演じました。
石破総理は米国への貿易赤字を有する国の中で一番税率が低く、その減少率でも日本がトップを勝ち取りましたと誇っておりましたが果たしてそうでしょうか。
単純に申し上げて、15%の関税を得るために、その傍ら日本にとっては全く理不尽な80兆円の対米投資を約束させられました。この事実が伝わるにつれ急騰した東京市場も、週末に向けて冷静さを取り戻して来たようです。
当欄では当初よりこの急騰劇には懐疑的な見方をしており単純には乗れないとしておりましたが、先週末ブルームバーグの米商務長官ハワード・ラトニックへの独占インタビューが伝わってきました。
「日本は15%の関税を80兆円で買った」とはっきり申しておりました。このスキームは既に今年1月時点でラトニック氏が考えトランプ大統領の支持を得ていたそうです。当欄での懸念は残念ながら見事的中してしまいました。
既に報道の通りこの投資というべき内容ではないと思われますが、リターン利益の9割は米国、1割が日本です。この時点で投資でも何でもありませんが、この80兆円の使い道はすべてトランプ大統領が決定します。
仮に米国のどこかの場所で半導体工場を建設したいと思えば、すべてトランプ大統領の指示で運営会社を選び、資金は日本がすべて負担、そこには日本の企業も一切介入出来ないということです。
日本は強制的に資金だけ供給し、運営が上手くいけば1割の利益を得られますが、失敗すれば投入資金はすべて失うわけです。こんな理不尽極まりない契約をした石破総理が胸を張る理由が分かりません。もし筆者の見方が間違いであればだれでもよろしいので、教えていただきたいと存じます。
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