モノの値段が上がっていますね。先日発表された日銀短観によると、大企業製造業で仕入れ価格判断DIはプラス58で、前回調査よりも9ポイント拡大しました。仕入れ価格判断DIは、仕入れ価格が上昇と答えた企業の割合から、下落と答えた企業の割合を差し引いた指数で、数字が大きいほど仕入れ価格の上昇傾向が強いことを示します。
同じく販売価格の動向を示す販売価格DIと比較するとその差は拡大しており、原材料価格の高騰によるコスト増を販売価格に転嫁できずに、収益が圧迫されている構図が明らかに表面化しております。
販売価格に転嫁できる業種がいいのですが、直接消費者と接する小売業などは非常に厳しい選択を迫られます。テレビでもお馴染みの中堅スーパー、アキダイの秋葉弘道社長は「消費者が価格動向に敏感になり、特売セールへの依存度が高まっている」と話しており、食用油などの生活必需品の上昇が著しく、「通常の5倍の在庫を確保して価格を据え置いているものもある」と嘆いておりました。
国際商品価格の高騰に円安も乗っておりますので、短期的な価格上昇に留まるかは非常に未知数であります。差し詰め円安は日本経済にメリットと考えられます。東京市場の3月初旬の急落からの戻り幅が諸外国に比べて大きかったのも、輸出関連に円安の追い風を吹かせたからでありますが、ただ今回の再びの円安トライではその輸出関連が悪役となっております。
冷静考えれば、日本の優秀な輸出関連企業は長く円高に苦しまられましたから、相応に現地生産は進んでおり、同じく輸出で稼ぐドイツなどに比べると日本の輸出依存度は相当下がっております。
どうも日々のマクロ要因に一喜一憂している面は否めません。日米の金利差は当欄でも指摘しているように、米国のピークアウト感が出るのが、労働環境の指標などから、後1、2ヶ月か、またその頃にロシアが結果を出したい5月9日に重なるので、懸念のウクライナ戦争も一定数方向性が出るものと考えます。
それでもすべてマクロ要因です。ミクロでは素晴らしい銘柄が既に活躍し始めております。投資家であれば弊社とともにそこを狙いましょう。
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