先週末と昨日の二日間で日経平均は1000円下落しましたが、米国が一日で1000ドル下落し直近の安値を更新しているところからすると、こちらは辛うじて安値を更新せず踏ん張ったことに、現状では十分健闘したものと思われます。
この急落の要因は再びパウエルFRB議長のお馴染みのジャブであります。IMF主催のイベントに参加したパウエル議長は、5月3、4日のFOMC(連邦公開市場委員会)で「通常の倍の0.5%の利上げを検討しているが、私の考えではもう少し速いペースで動くことが適切だ」と語り、これが0.5%より速いとは0.75%だろうと市場で解釈され急落に至りました。
今後はFOMC前のブラックアウト期間に入ることからとんだ置き土産となりました。ただ今回のパウエル議長の発言前に、今週佳境を迎える米国決算発表の前哨戦で、ネットフリックスが会員数の減少を伝え大幅安になったことから、これから迎えるIT大手GAFAMの決算に対する懸念も重なったようです。
それにしてもインフレに対する警戒感は相当なものですね、再三5月11日の米消費者物価指数(CPI)は注目としておりますが、特に諸悪の根源、食品は未だ不透明でありますが、原油につきましたは3月のWTI130ドルから現状は90ドル台まで下落しております。
これらを除くコアCPIでは、既に物の値段からサービスの値段に視点が移っておりますが、1月の0.6%、2月の0.5%から3月の0.3%への減少が4月全体のCPIにどう繋がるか注目であります。
相変わらずマクロ要因はネガティブ材料が目立ちますので致し方ないかと思われますが、あまりの乱高下に少々うんざり、騒ぎすぎの念は否めません。材料織り込みには日柄を要し、ミクロへの過渡期の混乱と捉えればよろしいかと存じます。
また、国内では決算前に27、28日に日銀政策決定会合があり、今回の黒田総裁の発言は現状の円安水準が岸田総理の意思には反するため、緩和姿勢の修正があるかも焦点であります。いずれにしても決算を含め5月中旬辺りまでの転換点を探ってまいりたいと存じます。
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