為替の円安が止まりません。20年ぶりの126円台まで下落し、さすがに円安は日本経済にとってプラスであるとの立場を表明しておりました黒田日銀総裁も、「急激な円安はマイナスが大きくなる」との発言で市場を牽制しました。
米国の引き締め、日本の緩和姿勢とはっきりと金融政策が分かれておりますので、この金利差は変りません。ただ、かなりの投機的ポジションが張られておりますので、要人の発言ひとつで目先の動きは変動しますが、ファンダメンタルズが変わらなければこの流れに変化はないかと思われます。
従って強いて円安の転換点はと言えば、日本の緩和姿勢は変わりませんので米国のインフレのピークアウトが何所かという点であります。先日米国の3月の消費者物価指数(CPI)が発表されましたが、前年同月比8.5%の伸びで2月の7.9%を上回り、未だ鎮静化の道は遠いように思われます。
ただその中身は変動の大きい食品とエネルギーが大半を占めており、言うまでもなく、世界第三位の産油国ロシアによる一大穀物産地での侵略戦争の影響が大きく寄与しており、この分野を除くコアコアCPIは2月の0.5%の伸びから、3月は0.2%へと鈍化して来ております。
更にコロナ禍以降上昇を続けておりました中古車価格も二ヶ月連続で下落しており、モノの値段はそろそろピークアウト感を覗かせております。従ってこの為替の円安も、伸び率の鈍化が反映されて来るであろう4月の米国CPIの発表の頃がピークとなるのではないでしょうか。
さて、昨日も東京市場は為替の急変動(マクロ要因)に一喜一憂する形で、ザラ場500円安まで売られましたが、俯瞰すると個別銘柄は結構押し目買いから上昇に転じているものが多く、騰落レシオを見ても明白に上昇しておりました。弱そうに見えて、意外と個別銘柄に対する物色意欲は強いと判断できます。
そう言えば、売り続けていた外人投資家が3月から4月にかけて、円安も手伝い2週間で1兆円近い買い越しに転じており少々驚きました。どうやらこの辺りにヒントがありそうです。
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