ブルームバーグのニュースによれば、複数の地区連銀総裁が金融引き締めの必要性を強調しつつも、引き締めペースの減速を指示したとあります。ダラス連銀のローガン総裁は「利上げペースを緩めることが近く適切になり得ると思うが、ペース減速が一段と緩和的な政策を意味すると受け止めるべきではないとも考えている」と述べました。
更に、フィラデルフィア連銀のハーカー総裁、サンフランシスコ連銀のデーリー総裁の発言なども概ね似たようなもので、追加利上げはなおも行われると注意を促した上で「利上げペースの減速は適切な検討事項だ」と語ったそうです。
どちらともとれる発言ですが、要するに消費者物価指数(CPI)の発表を受けて米国市場が急騰したことに、再び株高がインフレを助長することへの警戒感から「浮かれるんじゃないよ!」と戒めの意味も込めての表現かと思います。
巷では既にIT大手の人員削減が話題となっておりますが、昨日のメタの大幅削減に続きアマゾンが追加の1万人の人員削減を発表、流れはIT業界に留まらずウォルトディズニーが新規の採用を当面見送る見通しで、既存の従業員の削減にも着手するそうです。
更にCPIではコア指数から住居費を除くと驚きのマイナス0.1%と昨日申し上げましたが、その住居費のうち住宅ローンの解約率がリーマンショック以来の前年比68%減まで悪化し、足元の景気は予想以上に悪いようで12月の利上げ幅0.5%も怪しくなってきたのかもしれません。
今週の重要な経済指標は生産者物価と小売売上高の発表があり、更に小売り大手の決算発表があります。利上げの効果云々よりも先に景気後退が顕著に現れそうで、利上げ打ち止めを催促する展開が予想されます。
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