米国市場では弱気派の代表格として知られるモルガン・スタンレーのマイケル・ウィルソン氏が、自らの見解を修正し強気派に転じたと昨日報じた途端に結構な幅で下落しました。
当欄をご愛読していただいている逆張り好きの投資家の方から、「ほれ見てみい」とのお電話をいただきましたが、今日の明日でそう騒ぐことではありませんが、連騰していたところに米国債のAAAからAA+への格下げとの報道に過剰反応したのでしょう。
この格下げ、結論から言えばさして問題ではないと思われます。実務的にはAAAの債権に投資することを謳っている投資信託がいくつかありますので、その売りは多少ありますがその程度でしょう。
この格付け会社はリーマンショックの前に、サブプライムローンにAAAの格付けをしていたことをお忘れなく。JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモンCEOもこのフィッチの格付けに、借り入れコストを決めるのは格付け会社ではなくマーケットであるから、さして重要ではないとしております。
更に、イエレン財務長官も米国経済がコロナ禍の低迷から脱し、失業率が歴史的低水準である点を挙げ、「フィッチの決定は不可解であり、強く反対であり全く根拠のない欠陥のある評価である」と酷評しております。
結局、上昇して来た米国株の良い調整場面かと思われます。東京市場も2日間で1300円下げたことから大騒ぎしている輩もおりますが、冷静に見ればレンジの中の動きであり、全体調整はまだ続きそうです。
アナリストも日々の値動きの解説に困惑している姿はありありと分かります。調整場面、こんな日もありかと思われ、引き続き個別の決算に注目してまいりましょう。好決算も少々地合いに引っ張られますが、消えてなくなる訳でもなく胆力が試される相場です。
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