先週1週間は、為替ディーラーにとっては激動の時を過ごしたと思われます。2022年11月第2週の9円幅のドル安円高に匹敵する、同じく1週間で9円幅の為替の急変でありました。
ともに急激な円安に対する財務省の為替介入が見られましたが、米国ではそれまで強い経済指標が続いておりましたが、注目された先週末の雇用統計が予想を下回る数値となり、賃金の伸びも鈍化したことで、日本の財務省にとっては朗報となりました。
先週のパウエル議長の会見では、年内利下げの可能性を示唆する内容が見られハト派的とポジティブに判断されましたが、それを裏付ける内容の雇用統計となりました。
スタグフレーションやリセッションに対する投資家の懸念を和らげ、景気は緩やかに減速し、データ次第と言われるFRBですが、9月にも利下げの可能性が指摘され、先週末はダウ、NASDAQ、S%P500ともに続騰しました。米国市場はミクロの決算発表も概ね好調であり、大分環境が整いつつあるようです。
先週末下げ渋って東京市場でありますが、米国経済のソフトランディングの見込みから長期金利が急落、日本の財務省と投機筋による腹の探り合いから乱高下の為替も落ち着いてくることが予想されます。一方的円安から日銀の金融政策も選択肢が狭まっておりましたが、こちらも余裕が出て来そうであります。
デフレ脱却の数十年ぶりのチャンスのこの時期に、日銀による拙速な利上げなどもってのほかと考えるのが当欄の主張でありますが、今回の米国経済の減速はグッドタイミングではないでしょうか。
日本ではこれから決算発表が本格化しますが、今回の米国経済の好転が東京市場での物色対象を更に広げるものと思われ、今まで動いていなかったお宝銘柄が出現してまいります。決算をしっかり見据えてまいりましょう。
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