米国市場では生産者物価指数(PPI)、消費者物価指数(CPI)の発表を前に、機関投資家も大きなポジションを取れず小動きの展開となっておりますが、再び幅を利かせておりますのがミーム株であります。
ミーム株とは短期間で株価が急騰、急落するという特徴があり、ネットを通じて投資に関する情報を入手したり、拡散したり出来るようになったことから存在しております。
文字通り個人投資家を中心にSNSやウェブ上で注目される銘柄が大量に売買され急騰急落を繰り返す展開で、日本風に言うと往年の仕手株のような存在です。
特に米国の巨大掲示板、「Reddit」というサイトが有名で、日本で言うところの5チャンネルみたいなものですが、ここでは個人投資家が単に利益のために買うだけでなく、結束してヘッジファンドが売り仕掛けした銘柄を集中的に買い進み、ヘッジファンドを破綻に追い込んだ過去もあります。
ただ売り買いの勝負ゆえ、その逆もありますが、米国市場でも方向感のなさから投資資金がそういう銘柄に集中するところも米国ならではと感心いたします。
さて現状は米国以上に上値の重い東京市場でありますが、要因としては為替が安定しないことが大きいかと思われます。製造業の輸出企業といえども資材、部材などは輸入に頼ることが多いゆえ、為替の急変動は有難くないはずです。
「トヨタ自動車」の素晴らしい決算が売り材料になりましたが、ガイダンスが懸念されたとの解説が主流ですが、決算短信には急激な為替変動に対するマイナスの要素の説明もありました。
また、大量の請負工事を抱える建設株なども仕入れ先の流動化などで資材高に対応しておりますが、為替の急変動による弊害が既に決算に表れております。為替介入を実行した水準が近いことからも、今週の米指標は気を付けて見てまいります。
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