4.4%台まで下落した米国の長期金利は、下げ渋りの状況となっております。雇用統計が多少緩んだからと言って早々利下げが早まる訳でもありませんし、少なくともそれまでの経済指標は強かったわけですから、トレンドラインからすると4.4%台は分岐点迄下げたという印象です。
FRB高官もその辺りを理解していることから、昨日はボストン連銀のコリンズ総裁は需要を抑制し物価上昇圧力を低減するには、想定以上に高水準の金利を維持する必要があるとの考えを示唆し、今年に入りインフレ鈍化の進展が欠如している点に言及しております。
そうは言うもののISM景況指数の50割れ、4月の雇用統計の悪さは想定以上には、利下げに前のめりになるレベルではありませんが、失業者数、来週の消費者物価指数(CPI)、生産者物価指数(PPI)次第ではとの期待は膨らみます。
従って米国株式市場としては次の展開待ちに変わりありませんが、東京市場もお付き合いよく、連休明けは全くさえない相場展開であります。昨日の「トヨタ自動車」に見られるように、予想通り今期(25年3月期)のガイダンスに神経質になっております。
生保系のファンドマネジャーから聞きましたが、最近の東京市場には初めて日本株を買う新参者の外国人投資家も多いようで、AIを駆使し決算短信の「下振れリスク」、「様子見」、などのマイナスワードを読み込み、すかさず売りの指示を出すアルゴリズム取引が横行しているようです。
無論、いつまでも続くわけでもなく2、3日で撤収だそうで、いつまでも市場の波乱要因として存在するわけではありませんが、ややこしい時間帯はもう少し続きそうです。
そんな取引から「トヨタ自動車」「伊藤忠」なども目先の売りを浴びましたが、3か月後には増額修正が入るのではと思います。より一層決算の本当の姿を見極める三つの目(虫、鳥、魚)が必要です。
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