先週の米国市場では5月10日までダウは8連騰し、NASDAQも高値に迫る上昇を見せました。5月に入り各経済指標は緩やかな景気減速を示す数字が続き、経済のソフトランディングとともにインフレも徐々に改善に向かうベストシナリオが再び台頭しております。
決算発表も一段落しておりますが概ね好調な決算と良好な株主還元、今週の消費者物価指数(CPI)の内容如何ではダウ、NASDAQ、S%P500ともに新高値を狙える位置での展開が続くものと思われます。
前のめりになる株式市場を各FRB高官が戒める発言も発せられますが、それでも現状に至ってはパウエル議長を筆頭にタカ派よりもハト派が優勢になりつつあるようです。ただ、実際の利下げとなると未だ相応の距離はありそうで、一回目の利下げまでは米国市場の強さは継続するものと思われます。
さて東京市場は3月の高値以降完全に調整モードとなっており、方向感が見られません。半導体銘柄が買われれば日経平均を牽引してくれますが、好決算を出した「レーザーテック」「ディスコ」でさえも高値を更新できない状況では、未だ日柄整理の真っ最中というところであります。
半導体銘柄は少々やり過ぎとの状況ですね。外国人投資家の売買動向からも明らかで、先週も現物でも1909億円買い越しておりますが、先物ではTOPIXで73億円の買い越し、225先物は105億円の売り越しでややバリュー株志向です。
円安も160円での為替介入、更に米国経済指標の軟化、輸出企業のドル手当ての一巡等を考え合わせると、NISA口座からの外国株投資でドル需要が強いとは言うものの160円を更に超える円安も考えづらいと思われます。
東京市場ではマクロ要因の落ち着きから、決算発表でのガイダンスに対する過剰反応が反省されて来るものと思われます。決算精査に精を出す場面が続きますね。
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