米国市場では原油価格、長期金利の下落に合わせ、しばし後退していた利下げに対する前向きな見方が再び台頭しているようで、経済指標の強さから一時年内は利下げ無しではないかの見方が浮上しましたが、弱い雇用から7月にも第一回目の利下げがあるのではないかとの意見が見られ、市場のご都合主義には少々引いてしまいます。
ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁はその辺りに釘を刺すべく、インフレが目標への道筋を進んでいるとの確信が得られるまで、金利を現行水準に長期間維持する可能性が高いと語りました。再び利下げに前のめりになる市場に警笛を鳴らしたと思われます。
東京市場は今週、来週と決算佳境となりますが、主力の資金は「ニデック」のポジティブな反応から考えると、現状では連休疲れでもあるのか大分様子見ムードに変わりつつあるようです。一昨日も先物を駆使し変に上昇したかと思えば昨日はそっくり吐き出しとなり、先物以外は動き辛いかと思われます。
象徴的決算では「任天堂」の決算が、前期は良かったものの今期のガイダンスが弱く問題視されましたが、来年3月にスィッチの後継機種が発売されることがポジティブ視され、上昇する場面もありましたが結局は続かず大幅安となりました。
また「トヨタ自動車」のザラ場発表の決算は営業利益初の5兆円企業誕生も今期のガイダンスは減益予想、株価はアルゴリズム取引を交え乱高下の後、自社株買いの後押しもあり小幅安でありましたが、決算が出ると即反応するのはイベントトレーダーとアルゴリズム取引では、値幅狙いの資金はまだ出づらいところかと存じます。
注目は他にも「三菱重工」「伊藤忠」などの決算も出ておりましたが、今期のガイダンスはこれだけ為替の乱高下も加味すれば誤差の範囲と思われますが、少々ナーバスになり過ぎかと思われます。
機関投資家には新しい資金がごっそり入っております。予定通り決算終了とともにイベント取引が撤収し、その後の内容精査からの出動に注目してまいります
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