先週の米国市場はJOLTSの民間求人数、ADPの民間雇用者数の減少と立て続けに労働市場の鈍化を示す通知が並び、ISMの製造業、非製造業の景況観もインフレの企業活動への影響を示す数値が続いたことから本丸雇用統計が一層注目されましたが、結果は予想に反する内容となりました。
先週金曜日に発表された内容は、非農業部門雇用者数が前月から27万2000人増で事前予想の18万人を大きく上回る伸びとなり、平均時給も予想を上回りました。
3月の伸びが31万5000人から31万人に、4月は17万5000人が16万5000人に下方修正され5月も下方修正の可能性はありますが、再び雇用統計で悩ましい数値が出てしまったというのが本音でしょうか。
先週はG7の中でカナダがいの一番で利下げに踏み切り、ECBも追随し0.25%の利下げを断行、労働市場の緩和傾向が材料視されつつある米国でも、6月とは行かないまでも早期利下げ期待が高まっておりましたが、この雇用統計では少々厳しいかと…。
米国市場は来週の消費者物価指数(CPI)のデータを確認しなければ、方向性の確認は困難と思われます。であれば市場の関心は再び個別の「エヌビディア」の動きと、更にミーム株の代表選手「ゲームストップ」の去就に向かうものと思われます。
東京市場でも今週は弱い米雇用統計からFRBのハト派傾注、日銀金融政策も現状維持とのシナリオが浮上しておりましたが、大きな動きにはならなさそうで個別銘柄の材料を精査する動きは変わりなさそうです。
半導体、AIなど一括りの物色ではなく、ピンポイントの個別銘柄の物色環境が続くものと思われます。昨今の値上がり上位銘柄を見ても以前とは明らかの変化いて来ており、個人投資家にとっては決して悪い環境ではないと存じます。
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