材料難の米国市場では今週末FRBが最も注目しているPCEデフレーターが控えます。ここまで雇用でも弱い数値が並んでおりましたので、物価の方向性を確認する上では剣が峰になる可能性を秘めております。
シカゴ連銀のグールズビー総裁は、インフレが鎮静化していることを歓迎するとともに、政策が経済を圧迫していないかについて考え始めることが適切かもしれないと発言し、サンフランシスコ連銀のデーリー総裁も米国の労働市場は変曲点に近づいており、更なる減速は失業率の上昇を意味すると警笛を鳴らしました。
PCEデフレーターの数値が既に伝わっているのかとも思えるほどの発言内容ですが、来週には再び早期利下げ論が台頭して来そうであります。
昨日も触れました通り、高値から既に16%株価が下落した「エヌビディア」がNASDAQ、S&P500の重しになっており、その分出遅れていたダウが上昇に転じておりますがPCEデフレーターの方向如何によっては再び跳ねるものと思われます。
東京市場はシカゴの日経平均先物が小安い状況でしたが、午前中から下げ渋り引けにかけては400円近い上昇となりました。「エヌビディア」の下落から半導体株は冴えない展開でしたが、それ以外では大型、小型問わず買いの手は出ていたようです。
通常値上がり率上位銘柄にはだいたい小型株が並びますが、昨日は大形株の一角も顔を出していたことからも、個別銘柄には幅広く物色資金が向かっております。
レンジ相場を抜けて来るのは、第一四半期の数字がちらほら漏れて来るころと考えておりますが、先手々を狙いすます株式市場のこと、3万9000円台の売り物をこなし始めている現状を見ると意外と早い段階からトライしてくるかもしれません。
仮にそうであっても、個人投資家としては木を見る相場に変わりありません。
弊社へのお問い合わせは、お気軽に03-3868-2801までどうぞ。