先週末の米国市場は1、3月期のGDPが1.6%から1.3%に下方修正され、個人消費が速報値2.5%増から2%増に(市場予想は2.2%増)こちらも鈍化いたしました。
週末にはFRBが最も重視するインフレ指標の個人消費支出(PCE)価格指数が前期比年率3.3%上昇。食品とエネルギーを除くPCEコア価格指数は年率3.6%上昇。速報値の3.7%からこちらも下方修正されました。
ブルームバーグでは米経済が今年に入り、上振れサプライズが続いた昨年から失速していることを改めて示し、高金利や新型コロナウィルス流行時に積み上がった貯蓄の減少、所得の伸び鈍化などが米国の家計や企業を圧迫していると示唆しました。
結局米国のマクロ指標は強弱入り混じっての展開は変わりませんが、好調と言われた米経済は明らかな減速傾向が見られるようになり、時間とともにより鮮明になると思われます。
現状では個人消費の減速を好調な設備投資と住宅通しが幾分相殺しているようですが、基調的な需要の強さを計るインフレ調整後の国内民間最終需要は2.8%増で、速報値の3.1%から下方修正されております。
このPCEデフレーターの発表を受けて米国市場はポジティブに反応、長期金利の低下からNASDAQは25日線まで売られた水準から急速に戻し、S&P500も25日線から急速に戻し前日比高く引け、ダウは574ドル高と大幅高で引けました。
米国市場では5月の月足はダウ、NASDAQ、S&P500ともに4月の陰線から一転陽線となり、セル・イン・メイ(5月に売れ)覆す格好となりました。
筆者は東京市場ではセル・イン・メイ(5月に売れ)ではなく、バイ・イン・メイ(5月に買え)と唱えておりましたが。さて今後どう運ぶか…。
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