4月の米雇用統計は17万7000人増加し、エコノミスト予想の13万人を上回り、失業率も4.2%と前月と変わらず市場予想通りであり、1、3月期のGDPがマイナスであったことを考えると、景気後退懸念は幾分和らいだ格好となりました。
加えて、2、3月期の雇用統計はともに10%強下方修正され、ムラの大きい指標とはいえ注意すべき点もあり、ISM製造業指数でもGDPの1割の占有率ですが、新規受注が減少していることから、経営者マインドには関税の影響が出始めております。
今週のFOMCでは政策金利は据え置きと思われますが、懸念されるトランプ関税は未だ採用計画への影響は薄いようですが、サプライチェーンで既にほころびが出始めていることから、物流などで大規模な人員削減を発表する企業も見られ始めました。
それでも米国株式市場はビッグテックの好決算、インフレ懸念の後退も好感され、更に関税政策を巡って本丸の米中の協議が進み、貿易摩擦が緩和に向かうとの期待が投資家心理を支え、ダウ、S&P500は9連騰を記録しました。
トランプ大統領は自動車部品に対する25%の関税を、猶予部分も含めて発動しましたが、恐らく市場へのインパクトは限定的であろうと思われます。この関税政策も米中の全くの戦闘モードからやや落としどころを模索し始めたこと、貿易相手国との交渉も佳境を迎えますので…。
市場ではここまでの戻りの後、一気に上放れる材料も未だありませんが、更に大きく売り込まれる材料も見当たりません。従って、しばし膠着状態が続く時間帯かと思われます。
米国市場でも個別企業の決算が相場を支える格好となっておりますが、東京市場でも日経平均の底堅さから、これから本格化する決算発表に資金は向かうものと思われ、5、6月の株式市場は決算精査の下、個別物色が盛んになるものと思われます。
4月に大きな整理をした分、需給要因は大いに改善しておりますので、意外な値幅が生まれるものと期待されます。
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