米中両国は、先週末に開催されたジュネーブでの協議の結果、互いに課していた高関税を大幅に引き下げ、90日間の「関税休戦」に合意しました。具体的には、米国が中国製品への関税を145%から30%に、また中国が米国製品への関税を125%から10%に引き下げる措置が取られました。
あっさり115%もの関税引き下げが実現するなら最初からやるなよ、と叫びたくなるような茶番劇に見えますが、これが大国の同士討ちを避ける演出とまでは言いませんが、それらしきものを皆様も感じておられるのではないでしょうか。
しかし、この合意はあくまで「一時的な休戦」であり、根本的な問題の解決には至っておりません。米中間の構造的な対立、特に中国の国家主導型経済モデルや技術移転の強要、不公正な補助金政策などに対する米国の懸念は依然として残っています。 また、米国は戦略的産業の再構築やサプライチェーンの脱中国依存を進めており、アップルなどの米企業が中国からの生産拠点移転を加速させています。
さらに、IMF(国際通貨基金)は、米国の対中関税政策が世界経済に悪影響を及ぼす可能性があると警告しており、関税の引き下げが恒久的なものになるかどうかは不透明です。 また、過去の合意においても、中国が米国産大豆の購入を約束しながら履行しなかった例があり、今回の合意の持続性にも疑問が残ります。
しかしながら、今回の米中緩和は朗報であり、市場の安定化やインフレ圧力の緩和に寄与すると思われます。ただ、根本的解消ではなく90日後の交渉結果や双方の対応次第で再び緊張が高まるリスクもありかと…。
昨日の東京市場は引け後にこのサプライズニュースが流れましたので、本日の東京市場でも織り込み好感されますが、騰落レシオは昨日で125まで上昇しており、セオリーでは注意警戒ゾーンです。
専門家諸氏は冷静にと唱えますが、健闘する決算内容から個別銘柄はまだまだ買える水準です。市場の目は日中のお芝居よりも個別の決算発表に実利を狙い!
弊社へのお問い合わせは、お気軽に03-3868-2801までどうぞ。