緊急事態宣言のあった4,5月の第一四半期を通過し、解除後の7月からの第二四半期を経て、中間期を締めたわけですが、一ヵ月後の中間決算発表まで数字を待つ時間帯となります。
決算では売上高や利益に目が向かいがちですが、保有する資産や負債などその企業の財務の状況にも目を配る必要があります。
特に“手元資金”は将来の利益につながる投資や応援してくれる投資家に報いる株主還元の原資となる重要な項目です。
手元資金は貸借対照表(バランスシート)を見れば調べられます。現預金の額に、すぐに換金できる有価証券の額を足して算出します。この額が借金より多い企業は実質的な無借金企業で、上場企業の約55%を占めます。
家計の発想では貯蓄は多いほどいいですが、企業は手元資金が多すぎると経営が非効率的と判断されます。稼いだ現金を活用して将来の利益を生み出すことが求められるのです。
バブル崩壊後の日本企業は景気の悪化に備え、現金を手元にため込む傾向が強かったのですが、政府がデフレ脱却の姿勢を強める中、手元資金を有効に活用しようとする動きも出ています。
もっとも投資金額に見合うリターンを見込める案件が常に見つかる訳ではありません。投資に使うあてのない手元資金は、配当や自社株買いで株主に返すことが必要となります。
NTTがドコモを完全子会社化、SBGもソフトバンク株一部放出するなど、マイナス金利下、企業益々効率的な資本戦略を問われることになります。
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