弊社でも毎日お世話になっている「日本経済新聞」でありますが、その取材力には日々頭が下がります。この新聞も各記事の内容については事実を恙なく知らせてくれるので有難く拝読させていただいておりますが、たまに解説者が相場の行方についてのコメントを出します。
このコメントが過去を遡っても、相場の転機になることが多々ございます。相場の世界はその先行きの見通しについては、当ったり曲がったりの世界ですが、業界の中ではこの解説記事をターニングポイントと捉える関係者も多数おります。
筆者もその一人で、日経新聞、日経ヴェリタス、日経マネーなども拝読しているもかかわらず失礼かと存じますが、敬意を表するもそれはそれであり、今回も日本の個人投資家が大きく買い越した6月の第三週の翌月曜日に、世界の四割が「弱気相場」入りとの記事を見て目先の転機を感じました。
まさしくその前週の投資主体別売買動向は、黒田日銀総裁の豹変に賭けたヘッジファンドの売りと、強者(つわもの)個人投資家の果敢な買いのぶつかり合いでしたが、結局先週からの動きを見れば個人投資家に軍配と言ったところであります。
第三週のヘッジファンドの大掛かりな売り崩しを見ての先程の解説と思われますが、同じ証券会社でも弱気のアナリストの意見を中心に取材記事として扱っている辺りは、メディアらしき一面の煽りとも感じられます。
勿論、日経新聞の名誉のためにも決して数字を誇張しているようなことは一切ございません。弱気相場入りとは、現実に直近1年間の高値から20%以上下落した市場を指しておりますが、全ては出された数字をどう解釈するかであり、相場格言「もうはまだなり、まだはもうなり」と同じことであります。
なぜここまで偏るかは、直近日本のファンドマネジャーへの取材でもよく指摘されるプログラム売買が原因のようですが、昨日も東京市場はそれなりに大健闘です。出てきた数字には、決して煽られずに自らの頭で冷静に解釈してまいりたいと存じます。
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