一昨日の当欄にて、米国ゴールドマン・サックスの調査レポートを紹介いたしましたが、昨日東証から発表されました先週の投資主体別売買動向で実際の数字が伝わり、そこには二極化がハッキリと映し出されました。
ゴールドマンのレポート通り日経平均を2000円弱下げさせたのは外国人投資家であるヘッジファンドであり、ロシアによるウクライナ侵攻が始まって以来3月の第一週に東京市場は底値を付けましたが、その時以来の売り越し額で8000億円に上りました。
黒田日銀総裁が豹変し、イールドカーブコントロールの幅を広げ、金利の上昇黙認する方に賭けたヘッジファンドは、一週間の売り越し額では3月の第一週時の9900億円に次ぐ規模であり、相当玉砕したことが窺えます。ヘッジファンドの運用成績の悪さは再三指摘している通りですが、それでも全体の資金の出入りは、相変わらずヘッジファンドには資金が集まっているのが実態で、人気があるんですね。
更に、これには尾ひれが付きまして、この売り越し額のほとんどを買い越したのが、3月の暴落時と同じように日本の個人投資家でその額7000億円。昨日米国市場でも個人投資家が1日1700億円押し目買いに動いているという日経新聞の記事を紹介しましたが、東京市場でも賢い個人投資家が米国ほどの規模ではないにしても、聡明に動いていることが伝わります。
賢い個人投資家は節目節目で確実に動いており、今日の明日を見る資金ではなく、今週のように日米ともにビッグイベントが通過した後の方向感のない状況も想定内と心得ており、慌てずその先を見ております。まあ、現状の相場展開では今日の明日では対応できません。まさしく「相場は相場に聞け」「郷に入っては郷に従え」であります。
それでも日経平均の水準が落ち着いてきましたので、8月ぐらいに向けて再び2万8000円方向と思われ、下値が固まったことで個別銘柄に資金は向いており、待望の小型株にも触手は伸びておりますぞ。
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