連日の米国市場の大幅安から昨日は2万7000円割れ、更に本日もう一日厳しい場面が続きそうであります。米国では一部インフレピークアウトの見方も囁かれておりましたので、消費者物価指数(CPI)8.6%増というのはネガティブサプライズとなってしまいましたが、その傍らコア指数では6.5%、6.2%、6.0%と三カ月連続で減少しております。
そのコア指数のポジティブな数字を打ち消したのは、ミシガン大学消費者態度指数の大幅減でありますが、インフレの影響で実質収入減から購買意欲が落ちたことを示しております。
ただ、マネックス証券チーフアナリストの大槻奈那氏によれば、この調査は電話による調査で、最近オンラインなどの調査も盛んで消費者が調査慣れしており、いい加減な回答をしている傾向も見られ、更に今回の調査は前回の601件から441件へと急減していることから、数字のブレはかなりあるのではないかと推察しております。
一部企業では人員削減にまで進んでいる景況感も伝えられ、サービス価格の上昇にも歯止めがかかり始めていることも考え合わせると、その大部分の要素は原油価格の高騰で説明できるようです。
原油価格はロシア、ウクライナの戦況悪化から5月には再び120ドルに乗せましたが、米国では今後需要期を通過し減退期に入ってまいります。結論は、発せられる様々な数値が相変わらず斑模様なので、先が読めない不透明感が米国株安を招いておるようです。
かたや東京市場は昨日の日経平均の下げも、米国安に加えることSOX(半導体)指数の大幅安から、東京エレク、アドバンテストなどの半導体値嵩株が下げを牽引しました。このセクターの動きには日経平均も敏感に反応しますが、直近買われていたテーマ株は多少の影響はあれども押し目買いも入り、昨日の騰落レシオは上昇しておりました。
中身を見てまいりましょう。不安心理の暴走ももう少し、狼狽売りには注意してください。底流での資金移動は静かに始動しているようであります。迷ったらご連絡ください。
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