90年ぶりの8週連続安を記録した米国市場は、今度は一転6日連続高を記録し、週足でもそれまでの3週分の下げを埋める大幅高となり、底入れ感が出てまいりました。
言うまでもなくインフレ懸念の後退ですが、物価関連の指数は住宅を含め明らかなピークアウトと見てよろしいかと思われますし、週末の雇用統計も緩和方向と見ており、昨日紹介したFRBの高官の発言も利上げに対する随分なトーンダウンを感じます。
後は資源価格ですが、一昨日EU(欧州連合)首脳会議はロシア産原油の部分的禁輸で合意したことで、更に原油価格の上昇が気がかりですが、世界有数の産油国である米国の増産体制も着実に進んでおります。
米国内での石油・ガスのリグ(掘削装置)の稼働数が着実に増加し、新型コロナ禍以降250基程度にまで減少した稼働数は、現状三倍の720基程度まで増加しており、これも緩和材料です。
残りはこれが一番読めない穀物価格ですが、ウクライナ産の穀物輸出をロシアが制裁解除の道具として使おうとしておりますが、米国を中心とした西側諸国は応じないでしょう。
すると考えられるのは、人道的観点からウクライナの穀物輸出の要である黒海からの輸出ルートに西側の護衛艦が集結する可能性ですが、アフリカ諸国の穀物不足の惨状が予想以上であることから、これはありそうです。
当欄ではマクロの悪材料について触れますが、結局一番計れないのがウクライナ情勢、というよりもロシアです。日々「いい加減にせいよ!」の気持ちは皆様一緒だと思いますが、腹立たしくもこれはこれ、相場は相場で冷静に対処してまいりたいと存じます。
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