先週、日米ともに重要イベントを通過することで、目先重要指標の発表がない今週から株価も落ち着き、先週までのような下げは落ち着くだろうと思われていた矢先の昨日の下げは予定外でした。
内容を読むと、それまでの下落に対する抵抗力のあるものと、現状では崩しやすい環境にある値嵩株に売りが集まっており、現場のファンドマネジャーの情報によれば悪役はどうもヘッジファンドの姿が見え隠れしているようです。
重要イベント通過で、目先の手掛かり材料難から手が出し辛い状況と昨日の米国市場が休場ということから、今日明日を見れば東京市場はヘッジファンドにとって売り崩し易い対象であったのでしょう。
日経平均も先週1861円下落し2万6000円を下回る安値に沈み、米国だけでなく、スイス中銀まで予想に反する15年ぶりの利上げに踏み切る環境で、孤軍奮闘し緩和を続ける日本が一時的にも売りの標的になったと思われます。
いずれにしてもヘッジファンド主導となると目先狙いであり、米国市場が再開する今夜からはバリュエーション主体の資金も動いてくると思われますので、今回の下げは長続きしないものと存じます。
冷静に考えれば、長きに渡りデフレに苦しんでいる日本は、今回の世界的インフレが経済再生の千載一遇のチャンスとも捉えられます。目先の円安は副作用と思われますが、根気よく金融緩和を続ける日銀の姿勢は評価できますし、消去法とはいえ臆病な運用資金は、静かに金利の上がらない東京市場に向かうことも念頭に入れてよろしいかと存じます。
インフレファイターFRBは、物価と雇用の番人であり、現状雇用に関しては既に主要企業の人員カットが見られるので、製造用からサービス業への人員異動で賃金上昇のピークアウトも近いかと思われます。
かたや物価面での悪役の原油も既に最需要期を通過しており、更にバイデン大統領が中東を訪問します。米国の大統領が直々に訪問となると、必ず大統領の顔を立てる施策を講じるのが過去の外交の慣例であります。高騰していた長期金利、原油の直近の下落を見ると、潮目の変化もそう遠くないかと…。
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