先々週の外国人投資家の日本株での売買動向は2年9カ月ぶりの大幅買い越しを記録しましたが、先週の分は正確な数字は今週末にならないと東証から発表になりません。今回は三連休だったので一日ズレと思いますが、連続買い越しとなるかここは見ものであります。
今の米国市場の懸念材料はインフレと景気後退ですが、前者は週半ばの消費者物価指数(CPI)で大きく売られましたが引けにかけて戻り、翌日には後者の新規失業保険申請件数で予想外の悪化から大きく売られ、再び大きく戻り、週末はミシガン大学消費者信頼感指数速報値を前に三指数とも大幅反発、週足では下髭を伸ばす陽線で引けて来ております。マクロの悪材料には明らかに抵抗力が出て来ております。
CPIも失業保険申請件数も既に過去の数値であり、現状を反映しておりませんが、上昇したCPIとは裏腹に、コアCPIは5.9%とこちらは3カ月連続で低下、FRBが最も重視している、価格変動が激しい食品とエレルギーを除いたPCEデフレーターも3カ月連続で低下しております。
因みにCPIとPCEデフレーターは、前者が家計調査で報告された消費者購買データ、後者が企業調査の小売り販売データから算出されており、前者は都市部に限定されているのに対し後者は全国を対象としており、FRBが重視する視点がここにあります。
また更に、米長期金利も6月の3.5%近辺から大きく下落し、既に戻っては下落の繰り返しであります。要するに何が言いたいかは、どこかの偉い先生方の予想よりも、一番物知りな相場は既にインフレのピークアウトを示唆していると思われます。
先週末、マクロの悪材料を織り込み、テクニカル的にも三段下げが終わった米国市場と申し上げましたがですが、V字回復は虫が良すぎますね。底固めにはもう少し時間が必要ですが、これ以上の売り目線は必要ないかと存じます。しばらくは個別材料株の値幅取りで。
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