黒田日銀総裁は安倍元総理が凶弾に倒れた後も、その金融政策を一切変えることはしませんでした。一部には金融緩和の効果がなかなか出てこない状況で、世界各国の引き締め政策のあおりから円安が進み、結果として日本国民が物価高に苦しめられているとの論調が喧伝されております。
ただ物価高は複雑に重なる複合要因の集合体であると黒田日銀総裁の論じているように、金融政策のみに原因を求めるのは短絡的過ぎると思われます。
そうこうしているうちに139円台まで進んだ円安は、先週末135円台まで円高に返しております。これを見ても日銀の金融政策を槍玉に、国内要因だけで為替相場、並び物価高を語るのは無理があります。今回も米国のPMIの発表後に円高が進みましたので、米国では今後の懸念材料はインフレから景気後退に移っております。
やはりまだら模様の指標が続く米国では、その辺りの方向性が出るのが現在進行している企業決算発表、更に7月の雇用統計、消費者物価指数(CPI)が明らかになる頃という基本的な見解は変りません。
東京市場もこれから決算発表は始まりますが、米国市場に比べて既に200日線を超えて、騰落レシオも130ポイントを超える現状は先行きに対する期待も決して小さくないと存じます。先週末もコンテナ船の市況が活況なことから、船株、コンテナリース株などが物色されている様子は好材料に対して資金が回っていることで、いよいよ買い方が盛り返す時期も近いかと感じます。
しばらくは決算から目が離せませんし、日米欧の経済状況、終わらぬロシアによるウクライナ侵攻などを考慮すると、理路整然と説明してもあまり説得力はないのですが、賢明な投資家である皆様の長い相場歴から感じる相場観からは、この7月末から8月にはそろそろ潮目の転換点が来るのではと感じられているのではないでしょうか。
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