今週の東京市場は、伝えられている通り国内最大の年金資金であるGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の保有する金融資産の月末リバランスの売りが警戒されております。
GPIFは日本株の比率を概ね25%としており、その目安を上回れば売り、下回れば買うというリバランスを行います。大和証券の試算では現在2%ほど上回っているようで、その分が市場で売却される見込みであり、1から2兆円ほどに上るようです。
更に、各ファンドのETFの分配金捻出のための換金売りが想定され、7月の7日、10日に先物、現物合計で1兆1000億円ほど発生すると見込まれております。
需給面での売り物だけで何兆円と騒がれれば、相当な下落要因とも取れますが、分かっている売り物、買い物には事前に相当数を織り込んでくるのも相場の世界です。
更に今回のこの急激な上昇相場に取り残されている投資家は、国内機関投資家勢を含めかなりの数に上ります。その証拠に株式の待機資金、MRF(マネーリザーブファンド)の空前の規模からも窺えます。
また、この上昇相場でも5月半ばに、新興市場を中心に個人投資家の評価損率が23%を超える、あわや追証一歩手前の水準まで悪化していた懐具合も、現状12%ほどまで急改善して来ており、今後個人投資家の台頭が窺われます。
ここしばらくは、年金等の売り圧力と出遅れた投資家の拮抗する場面が見られると思われますが、上昇した分の待望の調整場面です。ブレずに丹念に押し目買いを敢行していただきたいと存じます。
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