米国ではADPの民間雇用統計が昨日の求人件数同様、予想を大幅に下回りました。13万人予想のところ10万3000人とかなり大きい開きがあった上、前月の数値も減額修正され、利上げ効果がジワリと雇用環境にも影響が出て来ております。
その中身も、コロナ禍以降今日までの回復を牽引してきた娯楽・ホスピタリティーが2021年2月以来初めて鈍化したことで、来年に向けては雇用に加え賃金の伸びも今後鈍化が顕著になって来るものと思われます。
米国市場では金利低下とともに大型テック株に資金が向かっておりましたが、バリュエーションから見ると他のS&P500の構成銘柄に比べるといかにも割高でることが懸念され始めております。
S&P500の構成銘柄でも大型テック株主導から中堅、小型グロース株への物色の広がりは出ており、米国市場を追随するメジャーSQを通過した東京市場にも波及して来るものと思われます。
それにしても如何にメジャーSQの週とはいえ昨日までの3日間の乱高下には驚きました。昨日申し上げました通り、一昨々日の下げ、一昨日の上げまでは予想の範囲でしたが、為替の円高もありましたが一昨日の上げを再び帳消しにする昨日の下げは少々オーバーシュートかと思います。
この円高の背景には日銀総裁が「賃金、物価、需要の強さの点検」と、従来と変わらぬ発言ですが、そのトーンの違い、更にその後岸田総理と会談したことが伝わったことで政策修正近し、と市場は動いたようです。ただ、この時期に日銀総裁、副総裁と発言が続いたことからも、今後は注意を払ってまいりたいと存じます。
SQ通過後の来週に向けては、恐らく現在米国市場で起こっていることが伝わって来ると思われます。昨日も下げている環境ですが、材料に対しては資金が向かっており物色対象は広がりつつあると思われます。
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