米国ではジャクソンホール会議を前に一昨日はPMI並びに住宅販売が発表されましたが、これが予想以上に悪く、直近の各連銀総裁がインフレ退治のタカ派発言を繰り返す中で、この指標からは今度は逆に景気後退を懸念しなければならない状況となっております。
会議前発表される各指標は変わらずまだら模様で、パウエル議長の今回の議会証言は困難極まりないかと思われます。2020年のジャクソンホール会議では「物価安定を犠牲にしても雇用の最大化を目指す」、2021年の同会議では「インフレは一過性」と発言し、このところ少々迷走しておりますので、今回はビシっと溜飲を下げる発言とまでいくかは疑問ですが期待したいところです。
それでも米国市場の戻りのスピードは、先週までダウもS&P500も騰落レシオでは150を超える過熱ぶりでありました。2020年のコロナ禍以降145すら超えたことのない領域ですので、ヘッジファンドが売りたがるのも納得のいくところでありますが、いくら急落の反動とはいえこれだけの悪材料の中で、ここまで騰落レシオが過熱するでしょうか。米国市場は、調整局面はあれど単なる戻りの域を超える「半値戻しは全値戻し」の格言通りの展開か…。
因みに東京市場の戻り相場の騰落レシオはピンポイントで7月26日の143がピークでしたが、とかく相場は天邪鬼。昨日も申し上げましたが、悪材料の土台に築かれた記録的な空売り残、そう簡単に一回転とはいかないのではないでしょうか。
昨日も東京市場は日経平均こそ下げましたが、材料に向けては旺盛に資金が動いております。防衛、資源と切り口多彩で、春先にも弊社でも大々的に手掛けた「三菱重工」を始めとした重工三社が揉みを離れてまいりました。
消去法でも東京市場はこれからまだまだ楽しみですね。
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