ヘッジファンドの運用成績が悪化しております。米調査会社ヘッジファンド・リサーチによるとヘッジファンド全体の運用成績の推移を示すグローバル・ヘッジファンド指数は2月上旬には昨年末を2%上回っておりましたが、今回のSVB(シリコンバレー銀行)破綻を受け急落、3月15日に昨年末を下回りその後も更に厳しい状況が続いております。
代表格が世界経済の動きから債券、株式を売買するマクロ系ヘッジファンド、更に、CTAと呼ばれるトレンド追随型のヘッジファンド、この両者が2018年2月以来の運用悪化となっており、野村証券によると特に3月10日、13日のマイナスは遡れる2000年以降最大の損失が出ているようです。
金利上昇を見込み、債券売り銀行株買いのポジションを取り、日本国債でも日銀の政策変更を見込み多くを売り持ちしていたようです。SVBの破綻を受け長期金利の急低下により損失がかさみ逆回転を起こしております。
従って、金融当局の迅速な対応で、仮に新たな破綻銀行は出ても連保預金保険公社から預金保護の資金は投入され処理されても、ファンドの破綻は出るかもしれません。
遡れば今回のクレディ・スイスの経営難もアルケゴスというヘッジファンドの破綻が手伝ったことは間違いありません。
1万社を数える大小ヘッジファンドは、毎年5〜10%ぐらいが破綻しておりますのでそれほど珍しくありませんが、更にリスクオフが深まると資産保全の反対売買は規模によって影響が出るかもしれません。
ただそれも目先の話であり、金融当局の姿勢とSVBはじめ破綻3行の特異性を考えれば、緩やかに買い場を迎えることは間違いないでしょう。個別銘柄は冷静且つ大胆に攻めどころを迎えていると思われます。
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