金融危機の本当のところの実態はなかなか掴み辛く、シリコンバレー銀行(SVB)の破綻もほとんどのアナリストも想定できず、特殊なケースとはいえ突然現れた感も拭えません。
従って内容を精査し理解している財務省、中央銀行関係者の発言に注目が集まるのは昨日も申し上げましたが、そんな中でセントルイス連銀のブラード総裁がインフレに対しかなりタカ派の発言をしておりましたが、市場の反応は既に利上げのペースダウンを織り込み、最大の注目点は金融危機の落としどころと捉えております。
要人発言が注目ですが、今週は米議会での公聴会があります。既に動画アプリTiktokのCEOが米国での入手した情報を、中国政府に流出させた疑いで5時間にわたる質問攻めに遭っておりますが、その公聴会でSVBとシグネチャー銀行の経営破綻について、FRBの金融監督担当のバー副議長と米連邦預金保険機構(FDIC)のグリーエンバーグ総裁が証言を行います。
米国市場では既にこれ以上の利上げは限界に来ており、この急激な利上げが銀行破綻を招いたことから、この点でどのような内容が伝えられるか、場合によっては先週のパウエル議長、イエレン財務長官の相反する発言で市場に動揺は走ったようなことが無いとも言えません。
目先は要人発言で一喜一憂もあろうかと思いますが、当局の迅速な対応、並びに大手金融機関の中堅以下を潰さないとのリーマンショックを教訓とした措置で、時間をかけながらも落ち着くものと思われます。
東京市場も月末接近で多少荒れる場面もあるかもしれませんが、総論ではなく個別銘柄で突破する場面であることに変わりありません。
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