先週のシリコンバレー銀行の破綻に続き、米銀29位のシグネチャー銀行が破綻となりました。シリコンバレー銀行の破綻ももとは同行の拙速な債権投資の失敗ですが、それが伝えられ預金流出を招いたのはSNSです。
シグネチャー銀行が破綻の原因は暗号資産投資の失敗らしいのですが、こちらもSNSが大活躍です。更に昨日はファーストリパブリック銀行が時間外取引で70%も売られておりました。
別段、何かへの投資の失敗が報道された訳ではありませんが、これがSNSの怖い所であります。買い方として、次は何処の銀行かと戦々恐々としている所を、昨日も申し上げましたがここぞとばかりヘッジファンドが売り仕掛けし、まことしやかにSNSを利用し風説の流布に近いことをやって来ます。
これは違法すれすれのことなのでヘッジファンドは引くのも早く、何時までも調子に乗って市場に留まりません。従ってこの売買もあと2、3日かと思われます。
今回の破綻処理で財務省、FRBの対応は非常に速かったと思います。特殊な要因での破綻ですので、あまり横に広がるとは思いませんが、これで今後のFRBの利上げはどうなるか難しい選択が更に続きます。
今回の破綻はFRBのインフレ抑制のみを目的に急速な利上げを行って来たことが原因ですが、当然今後の利上げに対しては慎重にならざるを得ません。野村グループではこの破綻から、政策立案者が金融安定リスクを評価する中、FRBが来週金利を引き下げ、量的引き締めにブレーキをかけるとの予測を出しております。
極端な見通しに聞こえますが一例二例の話ではありません。市場が冷静になり、利上げ鈍化となれば株式市場には資金流入が起こりますが如何に。
弊社へのお問い合わせは、お気軽に03-3868-2801までどうぞ。