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“株のソムリエ”からの勝ちの連鎖術!

PBRは会計上の過去、将来キャッシュフローの株価は未来。

  

東証は上場企業に対し、常に資本コストと株価を意識した経営をするようにと、異例と思われるほどの強い要請を出しております。PBR(株価純資産倍率)1倍割れを悪者とするのは誰もが分かり易い指標なので広がりやすいという利点はありますが、企業金融理論家の大阪公立大学院教授の宮川壽夫氏は違和感を発しております。

 

弊社でも単純にPBR1倍割れで銘柄選択すべきでないとの考えを持っておりますが、同教授は、PBRは株価を1株純資産で割って簡易的に株価が割安かを測る目安であり、企業が将来に渡って獲得する予想キャッシュフローを基盤とする株価と、過去の実績を帳簿にまとめた会計上の純資産とは解釈が違い、本来比べる因果関係にないと主張しております。

 

ウォーレンバフェット氏などバリュー投資を自任する投資家も、企業が生み出すキャッシュを現在、未来と見ており、純資産やPBRは結果であり現状ではあまり重視しないということです。

 

しかしながら、過去の会計上の数字がどれだけ現在の収益実態を把握できるかは微妙ですが、東証が分かり易く重要な指針として掲げたテーマであり、今後市場改革はこの指針に沿って進むものと思われます。

 

短期的な自社株買い、増配に止まらず、研究開発投資、人材投資まで長期的戦略を掲げられるかが見どころであります。PBR1倍割れだけでなく、企業の成長に対する総合力を測った銘柄選択を推奨されます。

 

さて、米国市場も金融機関の新たな破綻があっても、予想通りの0.25%の利上げで、今後へのアナウンスは相変わらずデータ次第と続き、利上げ停止の言及からあく抜けというシナリオは先送りとなりました。

 

連休明けの東京市場は決算発表も佳境となります。個別の決算の内容とともに今期へのガイダンスに注目してまいりましょう。

 

 

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