米国の債務上限問題は相変わらず迷走しております。この様子を受けて大手格付け会社フィッチ・レーティングは米国債の格付けの見通しを「安定的」から「ネガティブ」に引き下げました。
現状最も信頼度が高い「AAA」は維持しておりますが、政府が資金繰りに行き詰まる期限までに債務の上限を引き上げられないリスクが高まっており、債務支払いの一部が滞る可能性も懸念されております。
更に、この「AAA」が格下げとなれば、オバマ政権時代の悪夢が再びよぎる訳ですが、まさかいくら何でも米国が…、という見方に変わりありませんが、相変わらずチキンレースは治まらずというところであります。
インフレと景気後退の狭間で難しい舵取りをしているFRBでも、公表されたFOMC議事録でも各理事の間でも意見の相違は如実に出ており、まだまだ米国市場の方向性は出づらいかと思われます。
その分東京市場が世界の資金を吸い上げている格好で、これを単なる消去法によるものだと見る向きもあるようですが、現状の上昇相場に乗れていないことから買いたい弱気にも見えます。ミクロでは予想以上の企業業績、マクロでは世界で唯一低金利を維持、市場改革、史上最高額の予算執行など冷静に分析すれば、非常に分かり易い上昇相場であります。
昨日は引き続き押し目が入るかと思われましたが日経平均は反発、これは「アドバンテスト」の寄与率(1銘柄で154円)が大きかったのですが、実態は値上がり銘柄よりも値下がり銘柄の方が多く、跛行色が伴う個別銘柄の躍進が始まっております。
出遅れ著しいグロース市場でも、昨日のマザーズ指数は未だレンジの下限にへばり付いておりますが、個別では半導体周辺、DX、AIなど個別の材料に資金は向き始めております。ここは個人の狙い所であります。
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