日本のゴールデンウイークの間に米国市場では大きな株価の乱高下がありました。GW前に3万4000ドルを抜けた米国ダウはファースト・リパブリック銀行の破綻から、売り筋が次の破綻金融機関探しに勤しみ、パックウエスト・バンコープやらキーコープなどが目を付けられ、売り仕掛けも見られました。
0.25%の利上げも実施され、3万3000ドルを一時割り込んだ米国市場は、週末の雇用統計に強い数値が報告されると今度は一転買戻し、売られた金融株も大きく戻してまいりました。
またFRB内でも常にタカ派として馴染みの深いセントルイス連銀のブラード総裁が、今回に至っては将来の利下げに対するコメントまで発しておりましたことには少々サプライズを感じました。
米国市場は連日申し上げております通り、あくまでも咀嚼期間と思われます。未だに伝えられるまだら模様の指標には辟易する面もありますが、ミクロの決算面で見ると先週末も「アップル」が市場を牽引しましたが、8割強終わった決算発表は事前予想ほど悪くありません。
マクロでは完全雇用に近い状態で平均時給が前月よりも伸びておりますので、次に重要なのは10日の消費者物価指数(CPI)です。米国市場はまだまだ方向感が出ない状態が続きそうで、専門家の中でも景気後退株価急落を唱える人は多数おられますが、米国市場は下げ予想が増えれば増えるほど下げそうで下げない展開なのか…。
東京市場はじたばたしてもこれから決算発表佳境となります。足元の数字としては健闘しているものが目立つと思いますが、注意するべきはガイダンスリスクです。ただこれも迅速、正確なIRを東証は強く要請しておりますので、何時ものように控えめに出しておけば…とはならないと思われます。注目してまいりましょう。
弊社へのお問い合わせは、お気軽に03-3868-2801までどうぞ。