日経平均は昨年8月以来の2万9000円台に乗せて来ました。決算発表も始まっており、過去の経験則からは3月期の締めに対して今期の予想値が出てまいりますが、ここでのガイダンスリスクが懸念されます。
ここまでいい内容で進んできた業績も、経営陣の保身もあるかとも思いますが、次の決算を控えめな数字を掲げるケースが多分に見られます。例年この時期の決算発表には付き物ですが、今回は東証の上場企業への要請の中に、IRは恣意的な数字を絡ませず正確に投資家に伝えることが盛り込まれておりますので、いつもよりも現実に即した内容となるのではないでしょうか。
特にプライム、スタンダード市場の当落線上にある企業は控えめな数字ではなく、投資家がより関心を向ける内容を前向きに公表してくるケースが多数出て来るのであろうと期待値も上がると思われます。
米国市場の決算発表はこれまで概ね良好で、アップルを除くGAFAMの決算も事前予想を上回りました。傍らファースト・リバブリック銀行が公的管理に移り、次の銀行破綻への懸念も残るところですが、市場環境としてはVIX指数の下落傾向も鮮明で、既に平常時の20ポイントを下回り、15ポイント台まで低下しております。
今週は注目のFOMCですが、既に市場では0.25%の利上げは織り込んでいるようで、それよりも注目度が高いのは利上げ後のパウエル議長の声明です。
無論、何時ものように今後に関してはデータ次第との発言になると思われますが、現状ピークアウトしつつあるインフレ状態と相変わらず闘うのか、中央銀行の責務である金融システムを守ることを優先し利上げを一時的でも停止するのか。
どちらに傾くか、市場は注意深く議長の発言の真意を測ると思われます。インフレピークアウトは既に労働市場にまで進んでおり、金融・物価の番人であるエリート集団FRBは賢い選択をすると思われますが…。
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