米国市場は昨日申し上げました通り、消費者物価指数(CPI)発表前に各連銀総裁の講演が始まり、先にガス抜きを試みているかは定かでありませんが、タカ派発言の連発です。ただ普段はタカ派で馴らすアトランタ連銀のボスティック総裁が「利上げを止めてもいいのでは」との発言をしたことは少々サプライズでありました。
米国市場は追加利上げを警戒しながらもインフレピークアウト感は相変わらず強く、更に中小企業の景況感の回復も伝えられたことから、ソフトランディング予想も台頭、長期金利は3.9%台半ばまで低下しており、景気敏感株を中心に押し目買いは断続的に入っております。
昨日は米国高を受けて東京市場も高く始まり、10時前には400円高近くまで買われました。SOX半導体指数が2%強の上昇を受けて半導体株が引っ張りましたが、昨日同様日中乱高下、引けまで持たずに行って来いの引けとなりました。
佐賀県に新設する「SUMCO」のシリコンウェハー工場に経産省が750億円補助するというサプライズニュースも、ザラ場で大きく上値を追いましたが引けでは大きくボケてしまいました。
結局、「アドバンテスト」が一人気を吐き、日経平均を60円ほど押し上げておりましたが、実態は値下がり銘柄の方が多く、実質6日連続安の状況かと思われます。
全体大きな材料もなく半導体も少々食傷気味、さりとて個別銘柄には押し目買い勢力も健在であり、東証グロース市場指数が上げたのもそのような背景からかと存じます。
米国市場でも材料難から一時のミーム株が復活しつつあり、こちらも東京市場の個別銘柄物色の援軍になるのではないでしょうか。
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