FOMCを終えて長短金利はともに上昇、10年債利回りは4.39%、2年債利回りは5.12%と、ともにこれまでの最高水準まで上昇しました。24年末の金利水準を0.5ポイント引き上げ5.1%としたことがネガティブサプライズとなり、金利上昇、株安に拍車をかけたようです。
FOMCでは景気判断を上方修正し、失業率に対する楽観的な見通しも示され、今回の利上げは見送っても年内もう一回の利上げと、より高い金利を長い時間維持することが想定され、市場では予想以上にタカ派であったと解釈されました。
昨日も申しました通り、ここへ来て原油が最大のリスクになっていることと、加えて全米自動車労組のストライキです。ともに長引けばインフレ再燃の要素となりますし、さりとて金利上昇圧力の緩和には景気鈍化が必要と思われ、二兎を追う難しい舵取りは続く状況に変わりないようです。
米国安を受けた東京市場では10年債利回りは10年ぶりに0.74%台に乗せ、こちらもネガティブサプライズとされ、直近の高配当銘柄の権利取りをも飲み込み、金融株の一角を除いて売り材料とされました。
また、ドル円も昨年10月以来の148円台に乗せる円安が進み、明日の日銀政策決定会合後の植田日銀総裁の発する金融政策にも不透明感が漂い、売り材料となりました。
ただ、日銀のYCC(イールドカーブコントロール)は現状利回りが0.5〜1%の中で推移していることからも、既に有形無実化しており、仮に撤廃となっても影響は限定的と思われます。
植田総裁が先行きも含めて何を喋るか注目ですが、東京市場はいい押し目になって来たのではないでしょうか。現状の市場環境は何も変わっておりませんが、如何せん過熱感ありありでしたから、権利落ち後を模索してまいります。
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