米国市場はテクニカル的上値の目途を抜きにかかっているように見えます。昨日も格付け会社ムーディーズ・インベスターズが米国の信用格付けを「ネガティブ(弱含み)」としたことで、現在トリプルAの格付けがダブルAに格下げになるとのニュースから寄り付きこそ波乱でしたが、1日通してはしっかり戻しております。
この米国の強さをベアマーケットラリー(弱気相場の揺り戻し)とする専門家もおります。論点は米国でインフレ鎮静化から、利上げ停止時期が近づいていることを過剰に好感しております。
これは経済環境の悪化を示し、ISM製造業景況感指数は10月46.7と好不況に節目である50を12ヵ月連続で下回っており、サービスを中心とする非製造業は50を10ヵ月連続で上回ったものの、10月は1.8の減少となりました。
学生ローンの支払い再開、蓄えたコロナ給付金も底を着くことなどからGDPの7割を占める個人消費も今後失速して、景気悪化というマイナス面をこれから市場は織り込みに来るというものです。
確かに理路整然と合点の行く内容ですが、それにしては強い展開で物知りな株価はどう判断しているのでしょうか…。
さて、10月の台湾TSMCのサプライズは売り上げの伸びから世界の半導体セクターが買われ始めており、東京市場でもお馴染みの「東京エレク」「レーザーテック」を中心に裾野が広がり始めております。
このセクターが来ると東証でも関連銘柄は100社を超えるので、業績の電波が見られると思われます。決算発表も終わりましたので、方向性も見えて個別物色は盛んになると思われ、東京市場での「ベアマーケットラリー」は気になさらなくてよろしいかと存じます。
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