外国為替市場では米国長期金利の下落に合わせ、151円台後半まで進んだドル円が僅か1週間で4円強も円高に振れ、147円台前半まで展開して来ております。世界で一番取引量の多いユーロ/ドルの11月に入ってからのトレンド転換がトリガーとなったようですが、このままドル円の下落が続くかというとそうでもなさそうです。
日本の国債利回りはここへ来て下落しております。マスコミなどの円安悪者扱いから植田日銀総裁のYCC微修正を経て、撤廃までの論議が進みましたがさにあらず、11月初頭に0.96%まで上がった利回りは0.6%台まで下落して来ております。
日本の消費者物価指数(CPI)でも今年初めに4.3%まで上昇しましたが、植田日銀総裁の読み通り現状3%台まで下落して来ており、緩和政策による具体的行動を起こしていない中での利回り低下は、米国とは意味合いが違いますが歩調を合わせているようで、これでは一方的円高とはならないと思われます。
従って、円高進行を嫌気した輸出関連銘柄売りも、自動車株がその代表ですが、今後も引き続き下落が続くものとは思えません。円安はピークアウト、かといって円高も限定的であれば、しばらく方向感はなく物色対象は個別銘柄に向かうでしょう。
昨日もプライム市場よりも出遅れているグロース市場に資金が向かったのは、その表れと思われます。プライム市場でも小型株指数の上昇が目立つように、先物偏重から材料株物色に進んでおります。
決算発表が終われば中身を精査した資金が個別銘柄に向かうと当欄で申してまいりましたが、その走りはしっかり出ているようです。
金利、為替の変調から、日経平均が早々に3万4000円、5000円には進まないと思われますが、個別銘柄が動く、個人投資家にとっては悪くない展開が続くのではないでしょうか。
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