米国市場では先週木曜日の新規失業保険申請者数の予想以上の増加、並びにISM製造業景況感指数のこちらも予想外の悪化を受けて、米国経済のソフトランディングを懸念する見方が再び台頭し主要三指数は大幅安となりました。
更に翌金曜日には本丸雇用統計で市場予想17.5万人予想のところ、11.4万人増と大幅減、失業率も前月の4.1%から4.3%に拡大、更に前月の雇用者数も減額修正されマクロ面での予想以上の悪さが露呈しました。
同時に「インテル」が1万5000人の人員整理を発表しましたが、米国企業はコロナ禍以降経済の急回復から人手不足を経験していることから、多少の業績減でも人員整理を我慢してまいりましたが、今回の続くマクロ指標の悪化は方針転換の可能性も出て来ております。
ミクロ面ではここまで60%の米国企業が決算を発表しておりますが、80%程度の企業が予想を上回る内容であると伝えられております。ただその中でこれまでの牽引役のマグニフィセント7の決算にムラが目立ちます。
「マイクロソフト」でも「アマゾン」でも数字自体は良いのですが、生成AIの投資が莫大で、そこに収益を見いだせていないというのが市場コンセンサスのようで、高バリュエーションにここまで買われてきただけにシビアな評価になっているようです。
当欄でも指摘しておりますが、この分野は8月末の「エヌビディア」の決算までは方向感が出ない調整局面が続くものと思われます。
かたや東京市場は米国市場以上に下げ続けております。先週末は2200円安とあのブラックマンデー以来市場2番目の下げ幅となりました。現状利上げ後の10年債金利は0.907%まで下落しております。円安を止めるだけの目的しか見えない今回の利上げ、必要だったのでしょうか。おかげでアルゴ取引、追証も重なり2日間に渡り大商いの下げ、セイリングクライマックスの様相です。準備運動をして待ちましょう。
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