昨日0.25%の利上げを決定し、植田日銀総裁は記者会見に臨んでおられましたが、会見内容は前回の政策決定会合のときの内容とあまり変わりありませんでした。前回は現状での金融政策の変更は景気に影響が出るので利上げはしないという内容でした。
では今回は利上げにより景気に影響が出ないのかというと、「大きな影響は出ないだろう」との表現です。では大きくないけど影響は出るということですよね、との記者の質問には明確な答えはありませんでした。
あの頭のいい植田総裁が明らかに自分の言葉では明確に説明出来ていない、従って自分ではそう思ってないけど取り繕うような言い回しになっている。やはり政治家、財務省あたりの相当な圧力かと考えているのは筆者だけではないと思われます。
今回の利上げが、依然として弱いGDPの6割を占める個人消費を更に弱め、物価高だけは進むという最悪のケースである、スタグフレーションにならないことを切に願うところであります。
かたや米国FOMCでは「インフレ率が予定通りに低下し成長はまずまず力強く、そして労働市場は現状との整合性が維持されるならば、9月会合での利下げが選択肢になり得る」と、パウエルFRB議長は初めて9月利下げに言及してまいりました。
長期金利は4%まで下落し、NASDAQを中心に米国市場は反発しておりますが、昨日は新規失業保険申請件数が予想以上に増加、ISMの景況感も予想値に届かず大きく売られました。今週末の雇用統計、来週の消費者物価指数(CPI)の発表でシナリオは鮮明になって来るのではないでしょうか。
東京市場では日米金利差は縮小しアルゴリズム取引は円買い戻し、日本株売りのシグナルが点灯、先週の政府要人の不用意な発言から急落したシステムと同じく、昨日も朝から大きく売り込まれましたが、本日も米国景気懸念からシカゴの先物は1300円安、まだ波乱は続きそうであります。
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