東京市場の先週はまさに波乱一色の展開でありました。7月31日の日銀の豹変からですので、先々週から始まっておりますが、実際の0.25%の利上げよりも植田総裁の「引き続き政策金利の引き上げ、金融緩和の度合いを調整して行く」とのタカ派転換に市場は驚きを隠せませんでした。
海外勢の円キャリー取引の巻き戻しは、円の売りポジション21万枚から7万枚まで急減、円買い、日本株売りのアルゴスイッチオンから、東京市場はブラックマンデーを上回る暴落となりました。
その後、植田総裁の発言からの市場混乱の火消しに走ったのは、同じ日銀の内田副総裁です。「金融市場が不安定の中では利上げはしない」と発言、日銀の総裁、副総裁が違う方向を向いているようにも捉えられ、全体では今後はしばし方向感を探る展開が予想されます。
このような状況ゆえ目先の海外マネーは、特にヘッジファンド系の短期マネーは一斉に売りを出しましたが、現状は大体一巡したところと思われます。
傍ら長期目線の海外マネーは逆に日本株の比率を上げて、買い増した運用大手もおり、日本の村上ファンドなども買い越し組であり、更に国内年金も買い出動しているようです。
あまりにも短期の急落であり、追証に絡む売り叩きも相当数出ましたが、こういうところを虎視眈々仕込む資金も健在であります。
今週の東京市場はそれでも未だ方向感は出ないと思われ、決算が概ね終了することから個別銘柄の決算ラリーが期待できるものと思われます。
今回の決算は単純に数字が増えた、減っただけではなく、企業変身の手掛かりが随所に見られる内容であり、こういう大底から数々の出世株が出る予感がいたします。
弊社へのお問い合わせは、お気軽に03-3868-2801までどうぞ。