米国で懸念されていた景気後退は、一昨日発表されたISM非製造業景況感指数が2か月連続で好不況の境目である50を上回ったことで一時後退し、同時に141円台半ばまで進んだ円高は146円台まで円安に戻しました。
為替の反転をいち早く好感したのは東京市場でした。一昨日の常軌を逸した4451円安ではあちらこちらで訳の分からないストップ安が続出しましたが、昨日はその反動からこちらもあちこちでストップ高を演出しました。
更に昨日の東京市場は2年7か月ぶりに実質賃金がプラスを記録したとのヘッドラインニュースも貢献したようです。ただこの中身は6月のボーナスが大きく貢献していることは当然ですので7月のデータを確認しないとまだまだ単純には喜べません。
今回の日米同時株安は史上最大の下げを記録した東京市場に原因があると考えるのが正攻法であり、米国の景気後退期入り信号が点灯する前から東京市場は利上げを織り込み始めておりました。
結局、東京市場は金融引き締め懸念が囁かれた7月半ばから3週間で1万1000円安、植田総裁が利上げを決定してから3日間で8000円安という歴史に名を遺す立派な「植田ショック」を演出しました。
当欄でも非常に頭の良い植田総裁のマーケットフレンドリーな面を評価しておりましたが、残念ながら長いものには巻かれる体質であることを露呈したようです。実際にこの暴落が起きて初めて大変だと思ったのか、その長いものとされる圧力をかけた側は「俺のせいじゃないよ」と逃げ口実に追われております。
この市場原理の分からない圧力側により、日本が再びデフレに戻らないことを切に願う次第であります。さて、陰極まれば陽に転ず、まさに東京市場の現状でしょうか。決算も続いておりますので、為替をとの関係を吟味し業績を精査すれば、個別銘柄には天与の値場であることは間違いないでしょう。
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