昨日の夜中に「日銀0.25%の利上げを決定」との日経の速報が流れましたが、これを受けて日経平均は500円程売り込まれましたが、早晩速報通りの利上げが正式に決まると今度は買戻しが先行しました。
植田日銀は過去にもイールドカーブコントロールを撤廃するときも、国債買い入れによる金利の上限幅を0.25%から0.5%まで更には1%まで広げるときも、決定前にそれらしきジャブを打っておりました。
ジャブを打つというのも変ですが、先に緩衝材変わりのニュースを流し市場に政策変更に対する抵抗力を付け、待機させておいてから実際の政策を発動するという、わりとマーケットフレンドリーな面を持ち合わせておりましたが…。
実際に金融政策の不透明感から7月は日経平均にして4850円幅を僅か2週間で下げるという近年まれに見る急落となりましたが、十数年ぶりの金融政策の変更も実際の政策発動で追加利上げに言及されなければ底入れは近いと考えます。
ただ日銀の利上げを受けても日本の10年債利回りはレンジを抜けて来ておりません。従って、金利差、為替もFOMCを経て更に雇用統計を経て、しばし様子を見て行かないと方向感が出ないだろうというのが全体に対する結論であります。
この原稿を書いているさなかに為替は149円台まで円高が進んでまいりましたが、ここは2022年3月から始まった円安トレンドの下値支持線でもあります。今でも今回の利上げの真意は理解できません。
今回の植田総裁は何かの力に屈したかと?植田総裁自身が景気に影響があると認めいているにもかかわらず、決して賢明とは言えない今回の利上げですが、今後の金融政策で更なる追加利上げの議論がなされないことを切に願う次第です。
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